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河村 弘; 土田 昇; 桜井 文雄; 石井 忠彦; 瀬崎 勝二
JAERI-M 85-211, 50 Pages, 1985/12
JMTRでは、軽水炉燃料の安全性研究として出力急昇試験設備(BOCA/OSF-1)を用いて種々の出力急昇試験が行われている。本出力急昇試験では、燃料の破損しきい値等を明確にするために、燃料棒の出力を精度良く評価することが重要になる。本報告書では、BOCA/OSF-1での出力評価方法及びその評価精度について検討した。その結果、OSF-1冷却水温度の不安定性のため、一般的なカロリメトリック法、すなわちOSF-1冷却水の出入口温度差と流量から求める方法と異なるOSF-1冷却水出口側温度のみによる出力評価法により、燃料棒出力が300W/cm及び6600MW/cm時に各々6.4%及び4.3%の精度で評価できることが明らかになった。
前田 頌; 和達 嘉樹
JAERI-M 85-181, 124 Pages, 1985/11
昭和52年度から昭和58年度まで、科学技術庁の委託により、種々の環境条件下(海水、陸水、海岸砂、土、室内及び野外大気)における低レベル放射性廃棄物ドラム缶容器の耐食性実証試験を行った。本報告はこの内の海洋処分に対応する部分に関するものである。約5年間の海水中腐食試験結果をもとに、長期にわたる海水中におけるドラム缶の腐食進行状態の推定を行った。
秋本 肇
JAERI-M 85-117, 28 Pages, 1985/08
加圧水型原子炉冷却材喪失事故再冠水時におけるTRAC-PF1コードの炉心内熱水カモデルを評価する目的で円筒炉心試験C1-5(Run14)に対するTRAC-PF1コードによる試験後解析を行った。炉心下半分では、加熱棒のターンアラウンド温度とターンアラウンド時間について、実験と解析のよい一致がみられた。しかしながら、炉心上半分では、TRACコードはターンアラウンド時間を長めにクエンチ時間を短かめに評価した。TRACコードでは熱伝達相関式が局所ポイド率に対する強い依存性を有するにもかかわらず、TRACコードで予測されたポイド率と差圧測定より求めた円筒炉心試験データとの一致は悪かった。今後以下の領域でTRAC-PF1コードを改良する必要がある。(1)炉心内ポイド率分布計算に係る炉心内水カモデル(2)炉心内の熱伝達評価方法
森 貴正
JAERI-M 85-049, 197 Pages, 1985/05
将来の原子炉材料としての使用が期待されているモリブデン、ニオブ、チタン、リチウム及びフッ素の中性子断面積データの評価を目的として、各材料パイル中の和KeVから数MeVにいたる中性子スペクトルを電子線型加速器を用いた中性子飛行時間法により測定し理論解析の結果と比較した。評価の対象とした核データライブラリーは我国のJENDLと米国のENDEF/B-IVである。本研究の方法を定量的に評価するために感度解析コードを作成し、実験計画に利用するとともに実験値と計算値間の不一致の原因究明に利用した。感度解析の結果に基づいて、鉛反射体付ニオブパイル中の中性子スペクトルとリチウム平板による散乱中性子スペクトルの測定が補助的な実験として行なわれた。本研究により、全断面積及び散乱断面積に対して多くの有用な知見が得られた。
浅見 哲夫*
JAERI-M 85-035, 409 Pages, 1985/03
シグマ研究委員会主催の核データ研究会が1984年11月13日から15日まで、日本原子力研究所・東海研究所において開催された。本年の研究会の主要テーマは、(1)核データ活動、(2)核燃料サイクルと核データ、(3)原子炉の設計と核データ、(4)核データの評価、(5)核分裂現象、(6)特殊分野における核データの利用、(7)ポスター発表:原研核データセンターで入手可能な核データファイルである。本報告書はこれらの報文をまとめたものである。本年の研究会ははじめ、アジア地域からの研究社を迎えて行うことが計画されたが、諸種の事情により外国からの参加者はなかった。しかしながら、中国およびオーストラリアからは論文が寄せられたので、それらも本報告書に集録した。
鈴木 光弘; 熊丸 博滋; 田坂 完二; 岡崎 元昭; 松尾 孝*; 岡田 彰*
JAERI-M 84-245, 153 Pages, 1985/02
軽水炉の冷却材喪失事故等の熱水力挙動を解析するコードにRELAP5コードがある。これまでBWRに設置されているジェットポンプの中の流れを解析するモデルがなく、便宜的にその吸込部に小ポンプを設けるなどの方法を用いていた。ジェットポンプ内の運動量交換および形状の影響をとり入れたモデルを岡崎らが開発したが、本報は実際にこのモデルをRELAP5コードに組み込み、ROSA-III実験解析を行えるように改良し、実験結果と比較することによりモデルの性能を評価したことをまとめたものである。ジェットポンプの流れとエネルギーの特性を表わす指標にM、N値(それぞれ流量比、全圧力の差の比)があるが、本モデルがROSA-III装置のジェットポンプを対象として、定常状態と破断後の過渡状態にも適用でき、この特性をよく表わすことができることを示した。BWRのジェットポンプには更に使用上の工夫、モデルの改良が必要である。
五十嵐 信一; 秋山 雅胤*; 松本 純一郎; 中島 豊; 川合 将義*
JAERI-M 84-182, 107 Pages, 1984/10
1984年3月12日から16日の5日間、日本原子力研究所においてNEA核データ委員会(NEANDC)の第24回会合が開催され、その期間中の3月14日に、表記の研究会が行われた。研究会は日本原子力研究所とシグマ研究委員会との共同で準備され、NEANDC会合出席者を含めて約60名の研究者が参加した。本報告書は、研究会で発表された10編の論文をまとめたものである。
金澤 昌之*; 朝日 義郎; 平野 雅司
JAERI-M 84-132, 97 Pages, 1984/07
THYDE-P1は、加圧水型原子炉の冷却材喪失事故におけるブロードダウン、再浸水、再冠水過程を、一貫して解析するコードである。従来、同コードは種々の実験解析に適用され、最適評価(BE)計算コードとして、その高い解析性能が示されてきた。本報告では、同コードのブロードダウン、再浸水期の計算に対し、評価計算(EM)コードとして妥当とされているWREM/J2と同等の計算手法を確立し、それにより実施した最初の評価計算の結果を、WREM/J2の結果と比較検討した。本計算は、一連のTHYDE-P1サンプル計算のうち、RUN80として行なったものである。計算は、1.100MWeクラスの商用加圧水型原子力発電プラントの、コールドレグ、ギロチン破断による冷却材喪失事故(LOCA)を、400秒まで解析した。計算結果は、WREM/J2によるものと、良い一致が見られた。
菊池 康之; 関根 信雄*
JAERI-M 84-111, 97 Pages, 1984/06
JENDL-2のためのPuの中性子核データを新しく評価した。評価した量は、全断面積、弾性および非弾性散乱、核分裂、捕獲、(n,2n)、(n,3n)、(n,4n)反応の各断面積、分離および非分離共鳴パラーメータ、放出中性子の角度およびエネルギー分布、核分裂当りの平均放出中性子数である。核分裂断面積に対しては、主な核分裂性および親物質核種間の統一性を図るため同時評価を行なった。実験値の乏しい場合には、球形光学模型や統一模型に基く理論計算を行った。また評価方法についても検討を行った。
田坂 完二; 井原 均; 秋山 雅胤*; 吉田 正; 松本 純一郎; 中嶋 龍三*
JAERI 1287, 218 Pages, 1983/10
原子炉の安全性、遮蔽、核燃料サイクルなど広い利用分野で、崩壊熱のより精度の高い評価が要求されている。シグマ委員会崩壊熱評価ワーキング、グループでは、1000を越える核分裂生成物(FP)の崩壊データ、核分裂収率データを評価し、さらに実験のない短寿命領域の核種については理論的評価を求めて崩壊熱総和計算用ライブラリーを作った。そして崩壊熱実験値と比較、そのいずれの原因を検討して、最終的には短寿命のデータの良くない約90核種と実験的評価値から理論的評価値に置換えることにより、Pu、Puなどほとんどの場合に良い結果に導びくライブラリーを完成した。本報告書は、このライブラリー(第1版)の総合報告と云うべきものである。含まれる個々のデータと評価の方法、核分裂エネルギー、崩壊熱実験データとの比較検証、そして利用者のための指数関数タイプのフィッテング式などを含んでいる。